食問題について
2017年に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」によると、毎年約8300万人の人口が増えているそうです。
2017年76億人の世界人口は、2030年までに86億人、2050年に98億人、そして2100年には112億人に達すると予測されています。
2012年にFAO(国際連合食糧農業機関)は、2050年までに60%も食料生産を増やす必要があるとの推定を発表していたが、2017年の新たな国連の予測に基づき、2012年水準よりも50%多く食料・飼料・バイオ燃料を増産する必要があると推計する。
一方で、食料を増産するにも土地や水には限りがあり、毎年のように起こる異常気象による被害で、農作物の不作が起きている。
2018年版「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書によると、世界の飢餓人口の増加は続いており、2017年には8億2100万人、9人に1人が飢えに苦しんでいるという。
今後、さらにこの現状は悪化の一途をたどることが懸念されている中で、もはや食料が当たり前のようにある時代ではなくなる可能性がある。
国連は将来の食糧危機に備え、栄養源として昆虫食を推奨しています。
(牛や豚などの家畜からタンパク質を得るよりも、効率的かつ低コスト)
国連WFPニュース「世界の飢餓人口の増加は継続ー最新の国連報告書」
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コオロギの栄養価
コオロギの栄養価は非常に優れており、相当優秀な栄養バランスである。
タンパク源としては不足なし。
さらに、動物性タンパク質でありながら、亜鉛・食物繊維・オメガ3系脂肪酸・鉄分・ビタミンが豊富に含まれており、タンパク質は牛肉の2倍以上、ビタミンB12は20倍以上とも言われるほど、高たんぱくである。
なおかつ、低脂質、低炭水化物のため、健康志向が高まっている現代で近い将来、魅力的な天然のスーパーフードのひとつになるかもしれない。
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★必須アミノ酸をバランスよく含有
人の体内では作り出すことのできない必須アミノ酸
アミノ酸は、生命の原点。生きていくうえで必要なもの。
食べたタンパク質はアミノ酸に分解され、再合成される。
タンパク質によって、肌や毛髪、筋肉や骨・内臓はできている。
それ以外にも、カラダの中では赤血球や白血球、ホルモン、等々、タンパク質は必要不可欠。
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私たちのカラダは約60%が水分で、約20%がたんぱく質でできている。
体重50kgの人なら約10kgがたんぱく質。おもに筋肉や消化管、内臓、血中のヘモグロビン、髪や皮膚のコラーゲンなど、カラダの重要な組織をつくっています。このたんぱく質を構成している成分がアミノ酸です。つまり、私たちのカラダの約20%はアミノ酸でできている、と言えるのです。
私たちが肉、魚、穀物などを食べると、そのたんぱく質は、20種類のアミノ酸に分解され、私たちのカラダの中で再び、必要なたんぱく質に組み換えられます。
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★燃焼されやすいオメガ脂肪酸
オメガ3系脂肪酸:代謝を促す脂質。糖尿病の予防
代表的なオメガ3系脂肪酸は、「EPA」(エイコサペンタエン酸)と「DHA」(ドコサヘキサエン酸)で、イワシ、サバ、サンマといった青魚に多く含まれる。
魚以外ではクルミなどのナッツ類に含まれる「α-リノレン酸」もオメガ3系脂肪酸。
EPAとDHAなどは、体内では合成できないため食品から摂らなくてもならない必須脂肪酸。
とくにEPAには、血液を固まりにくくして、動脈硬化と心筋梗塞を防ぐ効果がある。
オメガ3脂肪酸を摂取することで、全死因死亡リスクに対するより高い予防効果が観察されている。
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★ビタミンB12
肌荒れ、動脈硬化の改善に。
ビタミンB12は、神経および血液細胞を健康に保ち、全細胞の遺伝物質であるDNAの生成を助ける栄養素です。また、疲労や体力低下を引き起こす貧血の一種である巨赤芽球性貧血の予防にも役立ちます。
牛レバーおよび二枚貝 (共に最良のビタミンB12供給源)
魚、肉、鳥肉、卵、牛乳およびその他の乳製品
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★カルシウム、鉄分、亜鉛といったミネラルも豊富
鉄分:疲れにくい体を作り、貧血の予防に
亜鉛:抗酸化作用。免疫力の向上に。
カルシウム:新しい骨や歯の細胞をつくり、神経やホルモンの働きにも作用
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たんぱく質の多い虫ベスト5
第5位 カミキリムシ(幼虫) 20g
第4位 コオロギ 21g
第3位 セミ(幼虫) 23g
第2位 イナゴ 25g
第1位 マダガスカルゴキブリ 27g
※100gあたりの含有量
参考文献:昆虫食入門 (平凡社新書) 新書 – 2012/4/13 内山 昭一 (著)
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世界の水不足
― 国土交通省より ―
国際連合(国連)の「世界の人口推計(2015改訂版)」によれば、世界の総人口は2015年時点で約73億5,000万人とされており、2050年には約97億3,000万人になると予測されています。人口の増加はすなわち水の使用量の増加を意味します。
水資源として利用可能な水の量は、降水量の変動により絶えず変化しています。このため、大雨や干ばつなどの異常気象を引き起こしているとされる地球温暖化による気候変動は、水の利用可能量に大きな影響を及ぼします。
洪水や干ばつは、世界各地で多発しており、災害疫学研究所(CRED: Centre for Research on the Epidemiology of Disasters)によれば、2015年には、国家レベルの洪水、干ばつがそれぞれ152件、32件発生し、影響を受けた人は洪水が約3千万人、干ばつが約5千万人に上ると報告されています。
また、地球温暖化による気温上昇に伴い、積雪量が減少し融雪の早期化が起こり、河川流出量の減少や流出時期が早まるなど、気候変動が水資源に様々な影響を与えることが懸念されています。